学園創立八十周年を同窓会一同喜びと感謝をもって心よりお祝い申し上げます。
八十年前、数々の困難を乗り越え学園を築かれた幼きイエス会。
戦争をはじめ多難な時代も、たえず祈りと情熱を学園のために捧げられたシスター方、先生方のご苦労に対し、敬意と感謝を忘れる事はありません。
学園は、時代と共に、たゆまぬ歩みを続けています。
この八十周年は、幼きイエス会から、新しい理事長のもと、新たな歴史を踏み出した学園が迎えた記念すべき周年行事です。
幼きイエス会のシスター方の
「学園を託す後継者はこの方以外にいない」
との悲願を叶え、学園を受けついてくださった麻生泰理事長。
神様が計らってくださったバトンタッチに違いありません。
私達は在校生時代は、学園内に修道院があり、いつもシスター方とともに過ごし、今は卒業生として同窓会の運営を通して、麻生理事長のもと、世界に向けて飛躍する母校に戻る事が出来たお恵みを頂きました。
世界を取り巻く複雑で厳しい情勢の中、学園の子ども達がグローバルシティズンとして成長していく事は明るい希望です。
これからの同窓会は、過去の良き時代をノスタルジックに回顧するだけでなく、母校の新しい歩みを見守ることで
「徳においては純真に。義務においては堅実に」
の心を持った真のグローバルシティズンに一歩でも近づくことが出来るかもしれません。
母校のますますの発展を祈り、母校にふさわしい同窓会としての役割を果たしていく事が出来ますよう、皆様方のお力添えをお願い致します。
11年前(平成23年当時)、シスター金森から理事長になってほしいと打診がありました。シスターは私の母をご存知で、幼きイエス会のマーケットリサーチも合ったようなので…
「カトリック信者でいらっしゃいますよね」
「子どもがお好きですよね」
「学校経営のことも良くご存知ですよね」
この3点から説得されました。
『とんでもない。多忙を極めているので、とてもお引き受けできない』と何度かお断りしましたが、シスターは思いの強い方です。もう心を決めていらっしゃいました。
そして私の亡き母も、信仰の強い女性だったのです。ですから、シスターとの対話中、「カトリックのために何かなさいよ」という母の声が聞こえたような気がしました。
数年間、理事、副理事長としてアドバイスさせていただくうちに、自分でも一生懸命になり、理事長職をお受けしました。
全く予期せぬことでしたが、熱意ある2人の女性が福岡雙葉と巡り合わせてくださったと思っています。
私も、それに精一杯応えます。
母は、大使(吉田茂元首相)の娘として、ほとんど海外で育ち、強いカトリックの信仰を持っていました。
その母が、見合いで、浄土真宗の麻生家に嫁いできたのです。
それから母は、6人の子どもたちに幼児洗礼を受けさせ、金曜は肉を食べさせず、もちろん、日曜はミサに一緒に連れて行くというカトリック生活を送らせました。
麻生家の娘たちはみな聖心女子学院に行きましたし、すぐ上の姉など、シスターになろうと志した時期もあったそうです。
そして圧巻は、姑までも変えたことでしょう。
姑は、浄土真宗から改宗して、カトリックの洗礼を受けました。
私も昔、ラグビーの合宿中など、さすがに人前でひざまずくのが恥ずかしいので、床に入ったまま十字を切って夜のお祈りをしていました。
今でも朝晩、「神様ありがとう」「神様またやっちゃいました」と祈っています。
年をとると、カトリック教育というのがだんだん効いてくるから不思議です。教会にはほとんど毎週行きます。
同窓会の方々にも、大いに意見集約していただきたいです。
情報と期待感をわかちあいましょう。
福岡は、女性の能力がある割に、男性が威張りすぎているような気がします。
同窓会の皆さんは、エクストラを背負えるパワーと能力をお持ちだから、与えられた一度の人生に感謝し、世に役立つ気持ちを持ち続けてください。
いろいろな活動を広げてください。
平成23年7月発行 同窓会だより『ふたば』第29号より