日本昔話

福岡生まれの桃太郎

あの日くさ、桃太郎がゆうたげな。
桃太郎 「じいちゃん、ばあちゃん、あたき、鬼ヶ島にくさ、
鬼たいじにいきたかぁ。」
おじいさん 「へぇー、鬼たいじげな。そげな えずかことは、やめときない。」
おばあさん 「反対にくさ、あんたの方が、鬼に食われてしまうばい。」
いくらゆうたっちゃ 桃太郎は ゆうことば 聞かんやったげな。
おじいさん 「んなら、用心ばして 行ってきない。」
桃太郎はな、鬼たいじに出かけたげな。

村はずれに来たらくさ、犬が来たげな。

「桃太郎さん、どこに行きよらっしゃーと?」
桃太郎 「鬼ヶ島に 行きよるとたい。」
「ふくろの中身は何かいな?」
桃太郎 「日本一の きびだんご たい。」
「一つ きびだんごば、やんしゃい。うちも ついてくるけん。」
桃太郎 「よかたい。ついてきない。このきびだんごば 食うたらくさ、
 力がどんどん 出てくるばい。」
今度はきじが飛んできたげな。
きじ 桃太郎さん、桃太郎さん。ふくろの中身は何ね?」
桃太郎 「日本一の きびだんご たい。」
きじ 「一つ きびだんごば、やらん?うちも ついてくるけん。」
今度は、さるが来たげな。
さる 「一つ きびだんごば、やり。うちも ついてくるけん。」

いよいよ、鬼ヶ島に着いたげな。
桃太郎 おれは、日本一の桃太郎ぜぇ。 鬼どもは覚悟しやい。」
「何ば言いようとか。お前やら 食うてしまうぜぇ。」
桃太郎だちはくさ、みんなで協力してな、鬼ばやっつけたげな。
鬼    「こうさん、こうさん。もう悪かことは、しまっせん。」
桃太郎だちはくさ、宝物ばいっぱい持ってな、元気に帰らっしゃったげな。
● この「博多弁」は、福岡市およびその周辺部
(糟屋郡)の言い回しをもとにしたものです。
文責 T.H